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専門記述最新問題の分析⑥(憲法の傾向と対策)

こんにちは、専門記述最新問題の分析の第6回をはじめさせていただきます。平成26年国家総合職2次試験専門記述の問題を振り返りながら、憲法の傾向と対策をしてみたいと思います。


問題の解説、参考答案については過去の記事で書きましたので、こちらを参照しながら記事をご覧になっていただければ幸いです。


→過去の記事はコチラ
 ・専門記述最新問題の分析③憲法(問題解説編)
 ・専門記述最新問題の分析③憲法(答案作成編)


さて、振り返ってみますと、平成26年は平成25年と同様、架空の法案についての合憲性を論じさせる、法案はA案、B案、C案の3つについて検討する、といった出題形式ですね。



では出題内容についての確認です。


A案=投票価値の平等(参議院議員選挙の各選挙区の議席配分について人口比例を放棄することの合憲性)

B案=平等原則or男性候補者の立候補の自由に対する侵害or国民の投票の自由に対する侵害(各都道府県の選出議員が男女各2名ずつとされることの合憲性

※「or」というのは、1つだけ触れていれば十分という意味です。


C案=直接選挙の要請or参議院議院選挙立候補者の立候補の自由に対する侵害or国民の投票の自由に対する侵害(参議院議員選挙を全国区選挙にして、かつ候補者推薦委員会から推薦を受けた者の中からしか参議院議員選挙の候補者となれないことの合憲性)



こうやってみると、すごく難しいですよね。手応えがあった人なんて、ほとんどいないのではないでしょうか。一見、人権分野から聞かれていますが、選挙制度の種類に関する知識や、選挙訴訟に関する判例といった統治にも関わる分野の知識についてしっかり理解できていないと、適切に論じるのは難しいのではないかと思います。



ですが、そこまで不安になる必要はありません。ほとんどの合格者はちゃんとしたことを書けなかったと思います。


こういうことが書ければ間違いなく合格ラインに達したであろう基準としては

A案について
→各都道府県から4名を選出すると、投票価値の平等との関係で問題が生じることに気づいていること。


B案について
男性よりも女性の方が当選しやすくなる可能性があること、または国民の意思決定より多数の女性候補者が当選する可能性があることに気づき、平等原則or立候補の自由or投票の自由との関係を論じていること。


※しつこいかもしれませんが、あくまで「or」で良いんですよ!「and」ではありません。

C案について
候補者推薦委員会から推薦を受けた者の中からしか参議院議員選挙の候補者となれないため、立候補者にとっては立候補のための要件が加重され、選挙人にとっては、選択肢が狭まる可能性があることに気づき、直接選挙の要請or立候補の自由or投票の自由との関係を論じていること。



という感じになると思います。インプットしてきた知識をどれだけ正確にアウトプットできるかというよりも、法案の憲法上の問題点を現場でしっかり分析できるかがより重要となりますね。

逆に言えば、ちゃんとした問題点を設定できたのなら、それだけで高い評価を受ける可能性があるのだと思います。


ですので問題文を見てすごく難しいと感じても諦めないでください。たぶん、本番では勉強してきたことがちゃんと書けない、何を書いていいか分からないって考えてしまうかもしれません。でも、合格者だってたいしたこと書けないって分かっていれば、「とりあえず何か書こう、知っていることやその場で思いついたことを結びつけて最後まで書ききろう」って思えるのではないでしょうか。



詳細な法律論を吐き出すことを意識するのではなく、なぜその法案が憲法上問題となるのかをしっかり分析してもらいたいと思います。それができれば、しっかり論述できなくても大きく崩れることは無いと思うので。



学習上どんな対策が有効か考えてみたいのですが、この点は良い答えが見つかりませんでした。せいぜい言いえるのは、法案の合憲性を論じさせる問題が出題されますので、法令違憲が問題となる判例の学習が重要になってくるということくらいでしょうか。



最後に、答案の分量のバランスを考えてみたいのですが、A案、B案、C案のうち、合憲性判定基準を定立して目的手段審査を行うことが必要な問題は、せいぜい1問だけではないかと思われます。平成26年の問題で言えば、B案の所だけ、これをやれば十分だったのではないでしょうか。



そもそも合憲性判定基準を定立して解く場合は、ざっくりとに説明すると

人権の価値の重要性・制約態様の程度(事前or事後・直接規制or間接的付随的規制etc)・立法裁量の広狭など踏まえて

厳格基準:①目的が必要不可欠であり、手段が目的達成のために必要最小限である)。
中間基準:②目的が重要で、手段との実質的関連性がある。
緩和基準:③目的が正当で、手段に合理的関連性を有する。

のどれかを選択し、目的と手段についてそれぞれ検討する、といった処理を行うと思います。


このような処理を80分内で3回も行うのは不可能ですよね。なので、このような処理は多くて1回やれば十分なのではないかなと思います。



以上です。今回の記事で伝えたかった内容を要約すると

◆憲法は比較的に難問が多い。問題文を読んで何を書いていいか分からなくても、「合格者だってたいしたことが書けていない」ということを思い出して開き直ることが大事。

◆詳細な抽象論を書けたかどうかよりも、なぜその法案が憲法上問題となるのかをしっかり分析することが大事。どのような問題提起ができたかで大きく差がつくと思われる。

◆出題形式から見て、法令違憲について問題となった判例の学習が重要。

◆1科目に使える時間が約80分であることから、A案、B案、C案のうち、合憲性判定基準を定立して目的手段審査を行うことが必要な問題は、せいぜい1問だけではないかと思う。

ということです。


本試験まであと一ヶ月少々ですが、今が勝負時ですね、頑張って下さい!!
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