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専門記述最新問題の分析③憲法(答案作成編)

こんにちは、アドバイザーの岡です今回は、前回の記事「専門記述最新問題の分析③憲法(問題分析編)」に引き続き、答案作成編をやりたいと思います

→前回の記事はコチラです

前回の記事では2014年国家総合職二次試験専門記述試験の憲法の問題について解説させていただきました今回は、そこで書いた内容を答案の形にしたいと思います前回予告したように、本番で書けそうな分量、内容で書いた実践答案と、前回の記事内容を可能な限り反映させた参考答案の2つの答案を載せます

今回の記事をご覧になられる方は、よろしければ前回の記事をご参照いただきながら読んでもらえると嬉しいです

では、まず、実践答案から書きます


《実践答案》

第1 A案の合憲性

1 憲法は、選挙権の内容の平等、すなわち投票価値の平等を要求していると解される(14条1項、15条1項、3項、44条但書)。とすれば、各選挙区の議員定数は人口に比例して定められるべきところ、A案は各都道府県から4名の議員を選出するものであり、人口比例の要請を無視するものであるから、投票価値の平等に反し、違憲であるとの疑義が生じる。

2 これに対し、提案者側は、憲法は選挙制度構築につき国会の広い裁量に委ねている(43条、47条)ため、参議院の都道府県代表としての性格を強調し、さらに都道府県の対等性を確保するためにA案のような制度を構築することも、かかる裁量権の範囲内である、と反論することが想定される。

3 私見としては、参議院の場合、判例上、最大較差が約5倍以上で、違憲状態との判断がされているところ、A案のように各都道府県の有権者数や人口を考慮しないで4名ずつ定数を配分すれば、先述したように、較差を著しく拡大させることがほぼ確実となるため、国会の裁量権を逸脱するといえ、違憲であると解する。

第2 B案の合憲性

1 まず、A案が違憲なのだから、各都道府県から4名を選出するA案を前提とするB案も第1で述べたとおり違憲となる。

2(1) 次に、男性の立候補者数が女性の立候補者数よりはるかに多いことから、各都道府県の選出議員が男女各2名ずつとされることで、男性の立候補者は男性であるという「性別」を理由に、女性の立候補者に比べて選出されにくくなるという差別的取扱い(以下、「本件区別」)を受けるとして、B案は平等原則(14条1項、44条但書)に反するとの疑義が生じる。

(2) これに対し、提案者側は、政治分野における女性の参画を促進する目的実現のために有効な手段であり、広範な立法裁量を併せ考慮すれば、なお合理的区別の範囲内といえる、と反論することが想定される。

(3) 以下、私見を述べる。

ア 「平等」とは,事実上の差異を無視した形式的取扱いを行えば妥当な結論を導くことができないことから,合理的区別を許容する相対的平等を意味すると解する。

イ 本件区別は「性別」という、14条後段列挙事由に基づくものであり、歴史的に顕著に差別されてきた事項であるから、合理的区別か否かを厳格に審査すべきである。

もっとも、上記立法裁量に加え、長年に渡る差別を解消するための差別是正措置であり、実質的平等を目指すものであることを踏まえ、厳格な基準よりもやや緩やかに、目的が重要であり、手段が目的との実質的関連性が認められない限り違憲となるものと解する。

ウ まず、政治分野における女性の参画を促進する目的は重要といえる。

また、手段についても、B案によれば、選出議員の半分を女性が占めることができるので、目的達成に大きく役立つ。さらに、我が国の政治分野における女性の参画状況が国際的に見て後れている現状に照らせば、性別枠を確保しないかぎり実効性が確保できないといえる。よって、実質的関連性が認められる。

エ 以上により、B案は合憲となる。
 
第3 C案の合憲性

1 選挙人の意思と当選人の結果との間に他の意思が介在するとして、直接選挙を要請する43条1項、15条1項、3項に反し、違憲であるとの疑義が生じる。

2 これに対し、提案者側は、C案の下でも国民の民意を十分に反映できるため直接選挙の要請に反するものではないから、裁量権の範囲内として合憲である、と反論するものと想定される。

3 たしかに、国民は候補者推薦委員会から推薦を受けた者の中からした候補者しか選択できない点で、直接選挙の要請に反するものとも思える。

しかし、C案によれば、選挙人たる国民にとって、全国区選挙の定員の3倍数の候補者といった数多くの選択肢が確保されており、その中から自らの意思により直接的に議員を選択することができる。そうすると、当選人の決定について、選挙人の意思が間接的にしか反映されないような制度とは性質を異にすることから、直接選挙の要請に反しないといえる。
よって、C案は合憲であると解する。

以上



次に、参考答案に移ります



《参考答案》

第1 A案の合憲性

1 憲法は、選挙権の内容の平等、すなわち投票価値の平等を要求していると解される(14条1項、15条1項、3項、44条但書)。とすれば、各選挙区の議員定数は人口に比例して定められるべきところ、A案は各都道府県から4名の議員を選出するものであり、人口比例の要請を無視するものであるから、投票価値の平等に反し、違憲であるとの疑義が生じる。

2 これに対し、提案者側から、憲法は、どのような選挙制度が国民の利害や意見を公正かつ効果的に国政に反映させることになるかの決定を国会の裁量に委ねている(43条、47条)ため、投票価値の平等は、他の政策的目的との関連において調和的に実現されるべきところ、A案は参議院が各都道府県の意見を公正平等に国政に反映させる機能を持たせる政策的目的によるものであり、憲法が二院制を採用した趣旨に資するものであるから、裁量権の範囲内として許容される、と反論することが想定される。

3 この点につき検討するに、①投票価値の著しい不平等状態が生じ②それが相当期間継続しているにもかかわらず是正措置を講じないことが、立法裁量の限界を超えると判断される場合は、憲法に違反すると解する。

まず、参議院の場合、判例上、最大較差が約5倍以上で、違憲状態との判断がされているところ、A案のように人口を考慮しないで4名ずつ定数を配分すれば、較差を著しく拡大させ、5倍を超えることは確実であるため、①を充たす。

次に、②について検討するが、現行の一定程度人口比例を考慮した選挙区制ですら、都道府県単位の配分のままでは、参議院選挙が半数改選制度であることと相まって、較差が解消できていない状態にある。

そのため、近時判例において都道府県単位での選挙制度自体の見直しを要請されている。

そうすると、A案のように都道府県単位選挙を維持し、さらに人口比例を放棄して較差を著しく拡大させるような制度を採用すれば、相当期間継続しているにもかかわらず是正措置を講じないことが、立法裁量の限界を超えると判断されることは避けられない。

よって②を充たす。

4 以上により、A案は違憲と解する。


第2 B案の合憲性

1 まず、A案が違憲なのだから、各都道府県から4名を選出するA案を前提とするB案も第1で述べたとおり違憲となる。

2(1) 次に、男性の立候補者数が女性の立候補者数よりはるかに多いことに照らし、各都道府県の選出議員が男女各2名ずつとされることで、男性の立候補者は男性であるという「性別」を理由に、女性の立候補者に比べて、選出されにくくなるという差別的取扱い(以下、「本件区別」)を受けるとして、B案は平等原則(14条1項、44条但書)に反するとの疑義が生じる。

(2) これに対し、提案者側は、政治分野における女性の参画を促進する目的実現のために有効な手段であり、広範な立法裁量が及ぶことも併せ考慮すれば、なお合理的区別の範囲内といえる、と反論することが想定される。

(3) 以下、私見を述べる。

ア まず、「平等」とは,事実上の差異を無視した形式的取扱いを行えば妥当な結論を導くことができないことから,合理的区別を許容する相対的平等を意味すると解する。

イ そして、本件区別は、立候補の自由という、選挙権と同様、国民の国政への参加を保障する重要な権利に関する区別であるし、「性別」という区別指標は、自らの意思や努力によって変更しえない事柄であるから、合理的区別か否かを慎重に検討するべきと解する。

具体的には、目的が重要であって、手段との間に実質的関連性が認められない限り違憲となると解する。

ウ まず、政治分野における女性の参画を促進する目的は重要といえる。

次に、手段についてみると、B案によれば、選出議員の半分を女性が占めることができるので、目的達成に大きく役立つ。

しかし、例えば政党が女性候補者をより積極的に擁立、推薦、支援することで、相当程度、上記目的を達成できる。また、選挙制度を拘束名簿式にして、政党が男女交互名簿にする等の配慮をすれば、B案と同程度の効果があると思われる。

そうすると、男性の立候補の自由を圧迫せずとも上記目的は十分達成しうるので、手段との間に実質的関連性が認められないと解する。

エ 以上により、B案は違憲と解する。

第3 C案の合憲性

1 選挙人の意思と当選人の結果との間に他の意思が介在するとして、直接選挙を要請する43条1項、15条1項、3項に反し、違憲であるとの疑義が生じる。

2 これに対し、提案者側は、C案の下でも国民の民意を十分に反映できることから直接選挙の要請に反するものでもないから、合理的な裁量権の範囲内として合憲である、と反論するものと想定される。

3 たしかに、国民は候補者推薦委員会から推薦を受けた候補者しか選択できない点で、直接選挙の要請に反するものとも思える。

しかし、C案によれば、選挙人たる国民にとって、全国区選挙の定員の3倍の候補者といった数多くの選択肢が確保されており、その中から自らの意思により直接的に議員を選択することができる。そうすると、当選人の決定について、選挙人の意思が間接的にしか反映されないような制度とは性質を異にすることから、直接選挙の要請に反しないといえる。

よって、C案は合憲であると解する。

以上

答案は以上になります

これで2014年の専門記述試験の憲法、行政法、民法の3つの分析が終わりましたいずれ、これらの問題分析を通して読み取れる試験問題の傾向について分析したいと思います

寒さが厳しくなってきましたが、夏に合格、内々定を掴んでから思いっきり遊んでいる自分を想像しながら勉強頑張ってくださいね

さて、内々定を得るために欠かせないのが官庁訪問ですが、官庁訪問対策にうってつけのイベントの告知をさせてください


『国家総合職*官庁訪問対策イベント』
~最後にして最大の山場、官庁訪問を攻略せよ!~

日時:2月14日(土) 17時~19時
場所:LEC新宿エルタワー本校


≪参加アドバイザー≫
和氣(区分:法律)
川本(区分:経済)
早川(区分:経済)
村瀬(区分:経済)
廣兼(区分:教養)
佐藤(区分:人間科学)


[企画者メッセージ]

「官庁訪問って一体なんなのという疑問にお答えする概要説明から、「実際そう対策すればいいかわからない…「当日のスケジュールってどんな感じなんだろう…など、”とにかく官庁訪問への疑問を解消させたい!”という方に向けての座談会などを企画しています

国家総合職を志望されているみなさん
最終合格がゴールではありません
実際に省庁から内定を貰うには、倍率3~4倍といわれる官庁訪問を勝ち抜かねばなりません



以上です

参加アドバイザーは皆、優秀で性格の良い子ばかりですので、すごく親身になって相談に乗ってくれると思います総合職志望者のための合格者アドバイザーイベントはレアですので、この機会に聞きたいことをたくさん質問して有益な情報収集をしてくださいね、お待ちしてます
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