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社会風刺と公務員のあり方

今回は筆記試験には一切役に立たないと思われる内容ですので,勉強の息抜きや,筆記試験後にでも目を通してみてください。

 この記事では,社会風刺文化のあり方から見る,日本社会と公務員のあり方について書きたいと思う。

 「社会風刺」とは,社会や人物の欠点・罪悪を遠回しに批判すること。また,その批判を嘲笑的に表現すること
Googleで検索して一番上にヒットした社会風刺の定義である。そもそも,我々が社会風刺という言葉を耳にすることは珍しく,聞いて連想されるのは高校の世界史の授業で紹介される,西洋の社会風刺ではないだろうか。社会風刺が盛んな西洋では,紀元前5世紀からその文化が始まり,紆余曲折あるも,現在も社会風刺文化が社会に根付いており,ポップカルチャーやコメディなど,多くの場面で取り入れられている。

 日本で代表される社会風刺の作品としては,芥川龍之介の小説「河童」が挙げられる。日本の歴史においても,社会風刺作品が少ないというわけではないが,有名となったものは僅かにとどまる。特に着目すべき事実は,社会風刺的小説は多少あるものの,現在の日本のポップカルチャーやコメディに社会風刺作品がほとんど無いことである。そのような中,2017年末に,あるお笑い芸人が挑戦的に社会風刺コメディの第一歩を踏み出した。とある漫才番組で放送されたその社会風刺漫才は,政治家などの権力者を名指しにして笑いをとる内容で,賛否両論あるものの大きな反響を得た。

 今回私が物申したいのは,日本も社会風刺をポップカルチャーやコメディに取り入れるべきという提案ではなくて,何故今まで文化として根付いてこなかったのかということに対する考察である。日本では,権力者に対する社会風刺が圧倒的に少ないことがポイントであると私は考える。年功序列で上の者の言うことは絶対,権力を持つ者に楯突けば自身の立場がなくなる。そのため,人々は保身に走る。それが一層,権力者が自身の出世や保身に走り,本当に全うすべき万人のための責務を最優先にしないことにも繋がる。そうやって,日本社会はなかなか変革することができなかった。社会風刺文化が根付かないという事実が,何か日本社会の問題点を見つけ出す糸口になるのではないだろうか。

 公務員として日本社会で働く上で,注意すべきことはたくさんある。「お国は現場を何も知らない」,「頭でっかちで碌に仕事もしていない」とたくさん批判を浴びるだろう。それに慣れ,数十年後には「安定」した立場に甘んじ,権力社会で生きる中で気付いたら脳内メーカーに「権力」の言葉が埋め尽くされているかもしれない。公務員を目指す者で,こんな公務員をゴールとする者はいないだろう。

 社会変革を上手く促せる社会風刺文化で巻き起こるような批判の中で,権力や安定的な立場に甘んじずに挑戦できる公務員が多くいるべきで,それができる世の中でもあってほしいと思う。

 公務員試験に合格することがゴールではなく,その先には数十年のキャリアが待ち構えている。自分がどのような公務員を目指したいかといった,自分自身の社会人象を思い浮かべておくことは,官庁訪問でも役立つかもしれない。
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メンバー全員が公務員試験の合格者。春から全国の官公庁に勤務予定!後に続く受験生さんのために「何をどう勉強し、どうやって合格したか?」そのコツを公開します

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